大阪都構想の必要性

今の府市協力体制ではダメな理由

大阪都構想、それには幾つもの目的がある。副首都機能を担う為の器づくりや、広域と基礎自治との事業を分ける事により、広域事業の効率化や首長を増やす事による視点の増加、それによる基礎自治機能の強化等々。その中で私が一番重要だと思うのは、広域事業での意思決定の一本化の部分。府市バラバラではなく力を統合して物事を進める、即ち大阪のポテンシャルをいかしきるという点。大阪のポテンシャル、それを如実に示すのが都市圏(経済圏)だといえる。下の宇宙から見た光を見て欲しい。

光が示す都市の広がり


この写真からもわかるように、大阪経済圏には「大阪全体が完全に含まれている」。その都市圏の中で大阪府と大阪市が縄張り争いの様な事をしていては発展の阻害要因にしかならない。故に府と市を統合して都となり、そのポテンシャルを最大に発揮できる形とするべき。この時重要なのは、「府が市を飲み込む形」というだけでなく、「市域を拡げる」つまり市が府を飲み込む形でもあるという事。
行政的には府+市=都であるが
実際的には府=市=都である。
双方を一つに纏めポテンシャルを最大にいかしきる、それが都構想の本質。それの必要性を説明するのに、同じ様な問題を持つ日本三大都市の一つと目される名古屋市を擁する愛知県を例にあげたい。

大阪以外でも認識されている都の必要性

愛知県、名古屋市でも形は違えども統合する必要性は認識されている。

愛知県知事と名古屋市長は共に中京都構想に賛成の立場だった。中京(愛知・名古屋)のポテンシャルをいかしきる為に。が、お互いの意見が食違いそこに至る道程で頓挫してしまった。それにより何が生じたか。それを表す例を二つあげたいと思う。

失われてしまった二つの可能性

例1) 国際展示場

東京とも戦える規模の国際展示場を作ろうという名古屋市長の構想は、愛知県知事の反対により頓挫する事になり、「愛知県単独」東京と戦えない規模の展示場を整備した。もし双方が手を携えていれば東京に伍する規模のものができていたにも関わらず。

例2) IR誘致

愛知・名古屋双方ともIRの重要性を理解しているにも関わらず、お互いの思惑が一致しないが為に前に進まない。そのせいで誘致レースからはほぼ脱落してしまっている。これらが言わば二元行政の問題点、意思決定の困難さを表している。これらを頭においた上で大阪の事を見て欲しい。

これからの大阪を輝かせる為に

府と市の意思統一により、「大阪・関西万博」の事業主体は「府」であるにも関わらず、「市内」の夢洲への誘致が決定。IR誘致に関しても府市の意見が統一されている事によりトップランナーとして走っている。府市の意思が揃っているという事、即ち大阪のポテンシャルを完全に活かせばこれだけ違う。今、府市の意見が一致している状態、これが当たり前のものではない事を、愛知・名古屋をみれば理解してもらえると思う。お互いに賛意を示していても、何が切っ掛けとなって反目しあうかわからない。
府と市の意見が統一され、府市統合である都構想が可決されるやもしれないところに行くこと、それがいかに奇跡的な事であるのか、それを愛知・名古屋の事例が証明してくれていると思う。今を逃せばこの機会は永遠に失われる可能性がある。千載一遇のこの機を逃してはならない

(文責 天)