名前が変わるだけではない特別区民税

税

現在大阪市民の多くの皆さんが個人市民税を納税されています。
都構想が実現すると『市民税』から『特別区民税』へと名前が変わりますが、実は名前が変わるだけではないというのはご存知でしょうか?
都構想とはあくまでも「行政の制度を変える」という話しなのですが、それに伴い個人が納税する税金の使われ方にも変化が起こります。

個人市民税の使われ方

大阪市民税の使われ方
まずは現在の大阪市の場合、皆さんが納められた市民税がどのように使われているかをごく簡単にご説明します。
政令指定都市である大阪市は、広域と基礎自治の両方の権限を持っており、24もの行政区がある巨大な都市です。
皆さんの納めた市民税は、これまで住んでいる行政区とは関係のない行政区での大型開発事業に使われたり、時には大阪市を飛び出して市外で使われるなんてこともありました。
また、納めた市民税が自分の住む行政区にどれくらい使われているのかわからないという問題があります。
もっと言うと、24の行政区にそれぞれどれくらい税金が使われているかが全くわからないのです。
つまり広域と基礎自治の税金の配分24の行政区への税金の配分明確な線引きがないために、たとえば選挙で選ばれる大阪市長によっては広域事業に多くの税金を使い基礎自治の住民サービスが向上しないという現象が起きてしまいます。

特別区民税の使われ方

大阪特別区民税の使われ方
都構想が実現すると、北特別区・中央特別区・淀川特別区・天王寺特別区が誕生します。
広域と基礎自治両方の権限を持っている大阪市とは違い、特別区は中核市並みの基礎自治の権限を持つことになります。
つまり特別区は住民に身近な基礎自治に特化することになります。
当然ながら、特別区民が納める特別区民税は、お住まいの特別区の基礎自治のためにしか使われません。
大阪市のように、お住まいの行政区とは関係のない場所で使われることもありませんし、大阪市外に使われることもありません。
今までの個人市民税とは違い、納めた特別区民税はその特別区のためだけに使われることになります。

個人が納税する税金の明確化

これまでの説明で、個人が納税する市民税と特別区民税が、単に名称の違いだけではないということはご理解頂けたと思います。
これまで大阪市が広域と基礎自治の両方の権限を持っていて24もの行政区があるために、個人が納税する市民税の目的と使い方に線引きがありませんでした。
都構想が実現して制度的に役割が明確になることで、個人が納税する特別区民税は目的と使い方も明確になります。
納税者の立場としては、個人が払う税金の目的と使い方が明確となる特別区のほうが、今の大阪市と比べて『納税者の納得度』は圧倒的に高くなるのは間違いありません。
2020年11月1日の住民投票で可決され、都構想が実現することを願っています。

(文責 ヨウ)