今回のコロナへの対応、大阪の情報公開がどこよりもスムーズな事にお気づきだろうか。例えば大阪と同じく政令市を持つ兵庫や神奈川での日々の感染者数の発表は、
政令市それぞれが個別に発表している。情報を見た人が
全体を把握するにはそれぞれ別々の数字を足さないと把握できない。政令市制度の弊害であると言えるだろう。
その事を踏まえ、コロナ対応での大阪の取り組み、府市協力体制(バーチャル都構想)による成果について話そうと思う。
病床の確保、症例別の対応
今回のコロナ対応で最重要だったのは病床数(医療従事者とセット)の確保。無論、その対応は本来ならば
政令市内の分は政令市単独で用意しなければならない。たが、最初のコロナ対応への
移動制限が大阪兵庫間であった事からわかる様に、コロナ対策は完全に広域対応案件。
全体を見た対応、病床数の確保、把握は必須であったと思う。それがスムーズにできる為には府が対応するのが一番効果的な形であるのは間違いない。 感染者が多く、それでも病床数は逼迫した。そこで中等·重症患者を病院病床に収容し、無症状感染者·軽症者を専用施設で経過観察する事になった。そういう軽症者収容の為の施設、ホテル利用であったり、別の施設を転用したり、やり方は様々だろう。だか、それも
政令市制度であれば、政令市単独でしなければならない仕事となる。
府市協力、官民連携により機能した大阪独自の取組
大阪でのコロナ対応がある程度上手くいったのには、様々な要因があるだろうが、その一つには間違いなく、
府市の枠も官民の枠も越えた民間を含めた医療体制構築、いわゆる
大阪アプローチがある。官民協力してこの先の医療の問題点を解消する体制を平成30年より構築した。大阪市と大阪府とが一体となった上で、
官民協力体制があった事が、
十三市民病院のコロナ専門病院化が早期実現した理由だろう。
【出典】「大阪府地域医療構想」 の 推進(PDF)
【出典】新型コロナに関する都道府県調整本部(府入院フォローアップセンター)について(PDF)
入院フォローアップセンターにも同じ事は言える。
政令市は単独で対応する体制であったならば、府全体の患者全体を、症状ごとに振り分けする仕組みは成立しなかった。広域に属するものは広域で
今回の新型コロナ対策、感染力の高さによる被害範囲の広がり、患者数増加スピードの早さ、どちらも
政令市単独での対応は難しい。
新型コロナの様な広域に影響を与える感染症対策の様な
広域事業を府に一元化する都構想の利点が今回、大きく現れたのではないだろうか。
(文責 天)